飯能市メガソーラー疑惑

阿須山中サッカー場問題解説 by azneko

元幹部が新井重治市長を提訴

【訂正】下記内容については、住民訴訟ではないことが判明した。他の関連情報から総合的に見て住民訴訟であることが容易に判断できたためだが、実際には異なっていた。訂正してお詫び申し上げる。

利権プロジェクト運営に影響大か

飯能市元幹部が新井重治現市長をさいたま地方裁判所に提訴した。住民訴訟である。

住民訴訟は住民監査請求前置主義をとっているため、原告人は、住民監査請求結果(却下または棄却)を受けて提訴前60日間を経ずに、訴状提出、受理されたことになる。

原告人は、元飯能市幹部であり、新井市長の強い支持者であった。

この人物が今回の提訴に至ったことは次の点で市庁内だけでなく、事業者、阿須山中利権プロジェクト全体に大きなインパクトを与える。

「元幹部しかも建設部長」市政に熟知しており、なおかつ、阿須山中で問題になっている都市計画法脱法行為等周辺領域についても事情を知る人物。

「新井重治市長支持者」新井市長、旧市政で不正に手を貸した市幹部等職員はもとより、保守本流勢力に対して、あらためて、阿須山中疑惑の見直しを求めることとなる。

新井市長は検証委員会と称するプロジェクトを立ち上げて、昨年、検証報告書を公開しているが、なんの不正不適正も正さず責任も追及せず、安易なアリバイづくりに終わっている。

5件の訴状のうち、概容が明らかになっているのは、次の2件。

  • 市有地貸付料
  • 開発地内における伐採木処分

上記2件は、当ブログで、再三にわたって、その不正違法性を報告してきたところである。今後、別投稿で、あらためて、「まとめ」を提示、市民、マスコミ諸氏の便に供したい。

以下、引用する。

阿須山中問題で市長提訴
賃貸借料や立木伐採処分 
市内在住の五十嵐氏

飯能市阿須山中地区の市 有地約17ヘクタールを活用してサッカー場と太陽光発 電施設を建設した公募事業を巡り、市内在住の五十嵐 勉氏(75)が新井重治市長を相手取り、さいたま地方裁判所に提訴した。提訴の件数は計5件で、うち2件の訴状内容について同氏が取材に応じた。2件の訴状は 昨年11月7日付けと、12月21日付け。

1件の訴状内容は、飯能市と公募事業に応募し、採用された民間事業者との間で契約した阿須山中の土地 賃貸借契約の件。市が民間 事業者に貸し付けた阿須山中の年間賃貸借料は120万円。五十嵐氏は訴状で、この年問貸付料である120万円についての増額改定 を求めたという。 

また、もう1件は民間事 業者がサッカー場太陽光発電施設を建設するため、阿須山中で実施した山林伐採の処分方法について。

民間事業者は市有林を伐採し売却したが、市有林は 有価物であり、その伐採代金は公金であることから、市へ納付することを求めるとともに、売却先を開示するよう求めた。 

2件の訴状内容について説明した五十嵐氏は、他の3件について「新井市長以外にも影響があるので、現在は公表しない」としている。 

五十嵐氏は「貸付料が 年間120万円と低額であり、市有林の伐採代金が市との覚書により公金でありながら、土地賃貸借契約を締結した相手に渡るなど問題となる事項がある」と主張している。 (文化新聞2023年1月17日付)

2023年1月17日付

更新

2023年1月19日

当該訴訟は住民訴訟ではないことが判明したため、標題から【住民訴訟】を削除した。また、本文から住民訴訟である旨の文言を削除修正した。






 

市長と事業者の不当利得金試算

前提

阿須山中市有地が不適正な貸付料で特定の事業者に貸し付けられていることは既に事実として断定できる段階となっている。

飯能市は現貸付料10万円/月の法的根拠あるい「近傍類似地を参考にして」示すことが出来ず、しどろもどろの回答を繰り返す様は見苦しい。

地目では同じ山林とはいえ、西武池袋線飯能駅からわずか3キロメートルの阿須山中市有地に対して、同駅から20キロメートルも離れた条件の劣悪な遠隔地を基準地とした公募時最低貸付料月額72,660円である。これに27,340円を増額して事業者が提案した月額10万円を適正な貸付料としている。

飯能市は、市民からの質問、市議会での一般質問に対して法令を根拠とした反論ができず、市と事業者が交わした土地賃貸借契約書及び覚書にのみ求めている。そもそも、この契約は、特定事業者への便宜供与を盛り込み、違法性が高い。

土地賃貸借契約書および細目覚書 - 飯能市メガソーラー疑惑

不適正な貸付料にもかかわらず、議会議決を経ずに、市長専決事項として、当該市有地の貸付を行った。これは、地方自治法第96条第1項および第237条第2項に抵触する。

以下は、不適正な貸付料がが適正な貸付料に是正された場合の「不正利得金の試算」である。

適正な貸付料

適正な貸付料はいくらなのか。2017年10月の公募開始時点の「適正な貸付料」のもととなるべき阿須山中市有地及びその近傍類似地の地価の公正な鑑定と司法の手に委ねる必要があり、不明であるが、この一年あまりで市民等から出された試算に基づき算定する。

【公有地不正貸付 3】近傍類似地の貸付料を試算する - 飯能市メガソーラー疑惑

不正利得金

適正貸付料と現行の不適正な貸付料の差額を不正利得金とすると次の通り。

当ブログが公的資料より出した貸付料試算額は484万円~1,059万円

仮に、便宜上、わかりやすくするため適正価額810万円として、現行10万円との差額を800万円とした。

負担割合は契約者たる市長と事業者で折半とする。
1ヶ月あたり両者それぞれ800万円÷2=400万円の負担となる。

市長と事業者が負担すべき金額

土地賃貸借契約締結日2029年12月7日

更新日2022年9月1日
※各月15日までを切り捨て、16日以降を1ヶ月とする。

大久保勝元市長

当該契約書の最初の契約者である。
契約締結2019年12月10日、退任2021年8月6日
契約期間における在任期間20ヶ月

400万円×20=8,000万円

退任後から更新前日2022年8月31日までを含む場合は

13ヶ月分5,200万円 総計1億3,200万円

新井重治現市長

当該契約書更新により2022年9月1日より契約者。
今後、時間の経過とともに、負担金は増大する。

現時点(2022年11月末)で1,200万円

更新後12か月:4,800万円
更新後24ヶ月:9,600万円

契約を継続している限り、負担額は増額していく。

事業者(一社)飯能インターナショナル・スポーツアカデミー

すでに、契約期間は次の通りであり相応の負担となる
23か月:9,200万円(更新より3ヶ月経過。2022年10月末現在)
35ヶ月:1億4,000万円
47ヶ月:1億8,800万円

事業者は、是正された後は、大幅に増額した適正貸付料を払い続けることになる。年額9,720万円。現行120万円から約1億円もの年額貸付料となる大幅な増額となる。

追記

阿須山中地内は、当該開発行為による山林から雑種地への地目変更にともない、固定資産税評価額が下がるとされているが、それが、そのまま市場価格に反映されるとはいえない。諸要素を勘案して、適正貸付料は算定される必要がある。更新後の適正金額であっても、有用価値による市場価格等を考慮して決定されるべきである。

更新

2022年10月25日 契約期間の詳細を追加。土地賃貸借契約書及び覚書リンク追加。

 

市道の立て看板に見る違法性

謎の立て看板

阿須山中メガソーラーの間を通る市道に、画像の立て看板が設置された。

表示された内容は次の通り。

阿須山中地内市道に設置された立て看板/撮影:しろたま氏

この先、私有地に付
整備された道路は通り抜けできません。

管理者

実に奇妙な内容である。

この画像では正確な地番が特定できないが、阿須山中メガソーラー全開発面積18.8haに事業者関連企業所有地が2カ所あることから、その部分を指して「私有地」と言っているのか。しかし、そうだとしても、民地の割合は全体のわずか0.9%であり、かつ、道路敷地は市有地であるから、「通り抜けご遠慮ください」との交通制限はできない。

「ご遠慮ください」を日本人は「通行禁止」と誤認する。数々の誤認を市民に与えてきたいつもの行動である。

内部情報によると、「整備された道路」は市道ではあるものの、事業者の整備区域であるとされる。そうであっても、行政財産であり、事業者に対する貸付物件ではないから、「通り抜けはできない」との交通制限は無効である。

また、道路を進んでいけば、出発箇所が公有地であっても、いずれは、私有地に到達するであろう。

市民はなんのためらいもなく、この市道を通行して良い。

ただし、柵や開発区域にある工作物(施設設備等)に接触することのないようにしたい。

彼ら(N等開発推進市議と市幹部含む)が市民を反社扱いし、陥れる行為は彼らの常套手段である。監視カメラでの市民に対する監視も続いている。十分に注意する必要がある。他のメガソーラー開発では、器物損壊により市民が1000万円単位の損害賠償された例がある。

最後の「管理者」。これは事業者なのか、飯能市なのか。あいまいにするのも誤認表現多数の彼らの手口である。

事業者の設置を飯能市がなんの許認可もなく黙認、というのが彼らの手口と考える。これとて、便宜供与であるが、飯能市がこれを設置しているとすると、さらなる便宜供与となる。

2法に抵触の可能性

設置場所は行政財産<<市道>>であり、公道である。

設置にかかる占用許可(道路法)は飯能市長が、使用許可(道路交通法)飯能警察署長が許可権者である。

無許可設置の場合

市道(公道)であるので、次の2つの法律に違反している行為となる。

管理者あるいは交通制限実施者は、道路法および道路交通法の2法に抵触するおそれがある。

道路法に定める道路占用許可を得ている場合

立て看板が、道路の通常の使用を妨げる内容を含み、「道路標識又はこれらに類似する工作物もしくは物件」にあたる可能性が高いにもかかわらず、許可権者である飯能市長が許可した場合には、飯能市と事業者の癒着が容易に推認できる。

道路法32条第1項および施行令第7条

1号 地上(路上)施設または物件
電柱、電話柱、変圧塔、郵便差出箱、公衆電話所、広告塔その他これらに類する工作物(例:派出所、公衆便所、消火栓、くずかご、フラワーボックス、固定式ベンチ、上屋、バス待合所、街路灯)

2号 地下管路類
水管、下水道管、雨水排水管、ガス管その他これらに類する物件(例:ケーブル管、熱供給管、石油管、温泉パイプ)

3号 鉄道関連または類似施設
鉄道、軌道その他これらに類する施設(例:索道)

4号 家屋一体施設
歩廊、雪よけその他これらに類する施設(例:アーケード、路上に設ける日除け、雁木)

5号 空間利用施設
地下街、地下室、通路、浄化槽その他これらに類する施設(例:地下タンク貯蔵所、地下駐車場、ベルトコンベア、防火用地下水槽)

6号 移動可能施設(土地に固着せず、簡単に取り払えるもの)
露天、商品置場その他これらに類する施設(例:靴磨き、売店、コインロッカー、資材置場)
ただし、路面に直接置く物(自動販売機・置看板・立看板・商品台など)は許可できません。

7号 その他政令委任物件
看板、標識、旗ざお、幕及びアーチ、太陽光発電設備及び風力発電設備、工事用板囲い、工事用足場、工事用機械、工事用材料、車両乗入れ施設、高架の道路の路面下に設ける駐車場

道路交通法に定める道路使用許可を得ている場合

立て看板が、「通行を遠慮すること」を使用者に求めていると誤認され、交通の規制を求める行為にあたると考えられるため、許可権者は容易に許可を与えてはならない。しかし、許可が与えられているとすれば、警察と事業者、飯能市政との癒着関係が容易に想像でき、他に市側が行ってきた様々な不正違法行為の傍証となり得る。

同法では次に挙げる物件が許可対象とされる。

道路交通法 第76条 

第1項 何人も、信号機若しくは道路標識等又はこれらに類似する工作物若しくは物件をみだりに設置してはならない。

第3項 何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。

謝辞

しろたま様に画像をご提供いただいた。感謝申し上げる。

しろたま on Twitter: "9月29日、阿須山中①。 とうとう完成してしまったメガソーラー。 月10万で貸し出す「市有地」はいつから「私有地」になったのか? https://t.co/9FqOh94Uma" / Twitter