飯能市メガソーラー疑惑

阿須山中サッカー場問題解説 by azneko

疑惑の公募(4)公募開始直前の設立でも応募可

設立3年未満でも応募可

阿須山中土地有効活用事業の最優秀提案事業者は2017年10月の公募開始時点で設立2年3ヶ月であり、公募要領の「事業者の資格要件」を満たしていない、として飯能市は自ら定めた公募要領に反する事業者選定を行ったとする批判が上がっている。

しかし、公募要領では「設立から3年未満は応募資格がない」とは言えない。以下、説明する。

公募要領では、「4.事業者の資格要件(3)応募の制限」として、欠格事項を挙げている。ア項~オ項までは、破産等の申立、指名停止中、税金滞納、反社会的勢力関係者、団体規制法対象者等一般的な項目が挙がる。

カ項は経営健全性にかかる基準項目である。

カ 経営が健全性を欠く(直近過去3年間の決算が債務超過、純損失、キャッシュフロー赤字の全てに連続して該当(応募グループの場合は応募グループを構成する法人の全てが該当)する状況)と認められる者。

直近過去3年間の決算が債務超過、純損失、キャッシュフロー赤字の全てに連続して該当」との欠格条項から「設立3年未満の法人では直近過去3年間の決算を終えておらず、応募の資格がない」との指摘であるが、これは、設立からの営業年数についてではない。他の条項でも営業年数に触れてはおらず、設立2年〜1年どころか、公募開始前日の設立の法人をも排除するものではない。論理上はそう解釈できる。

また、この3つの財務指標はネガティブ指標であり、該当する項目は少なければ少ないほど良い「経営不健全性指標」である。

この公募では単独法人あるいは2法人以上でのグループ応募いずれでも可能である。

以下では、実際に最優秀事業者提案となった「3社での応募グループ」で仮説検証した。

仮説検証

例1)応募グループの全法人設立3年未満(例では設立2年)で「経営不健全性指標」すべてに全期間で該当しても応募資格がある。

例)設立2年ですべてのネガティブ指標が全期該当

例2)応募グループ全法人が公募実施直前の設立であっても応募資格はある。

もっとも極端な例である。まだ決算がなく経営不健全性指標は不問である。

公募直前の設立でも応募可能

例3)実際の最優秀提案事業者である一般社団法人飯能インターナショナル・スポーツアカデミーは設立2年3ヶ月、応募グループの他の2社、株式会社ジースリーホールディングス、株式会社大和リースは設立6年以上である。

経営不健全性指標については不明であるため、最悪のケースを想定したが「経営不健全指標」に3年連続該当はしていないため、応募資格はある。順にA社、B社、C社で示した。

財務指標については1社が1項目さえクリアしていれば「3年連続規定」に該当せず

大規模造成工事なのに経営事項審査不問は不適正

阿須山中土地有効活用事業は、簿価20億円17haの公有地貸付事業であるが、貸し与えた事業者は少なくとも10億円を超える規模の造成工事を実施する。

通常、この規模の公共工事の一般入札では建設事業者に厳格な経営事項審査の成績証明書の提出が求められる。その中でも、営業年数は大きな要素である。

営業年数35年以上で60点の加点、営業年数5年ではゼロ点、6年では2点である。

当該公募については、多くの不適正・不正と容易に推認できる事象が頻発している。

今後、継続して、報告する。