飯能市メガソーラー疑惑

阿須山中サッカー場問題解説 by azneko

伐採木評価額を試算する

概説

飯能市が阿須山中地内の市有地伐採木売却代金を最優秀提案事業者である一般社団法人飯能インターナショナル・スポーツアカデミーに得させたことが2021年6月16日飯能市議会一般質問の中で明らかにされている。

一特定事業者に多額の利益を供与した理由については、市議の質問に対して次のように述べている。

[長谷川議員]

ところで伐採した木の取り扱いについて市民より昨年10月28日に飯能市に対して質問が出ていました。

それに対して飯能市は12月14日にこう回答しています。飯能市は、立木を売却可能とするための伐採、搬出加工等にかかる費用を見積もったところ、伐木の売り払いによって生じる見込みの利益を大幅に上回ったことから、その利益を事業者が負担した伐採等に係る費用に充てることとしています、と回答しました。

この回答で間違いありませんか。

[青田財務部長]

間違いございません。

実際の売却代金について市側は「売却についてはアカデミー側の事業であり不知」の旨回答。また評価額については回答せず、売却にかかる加工運搬費を回答して論点をずらしている。また、別の幹部はこの加工運搬費を売却収入として回答している。

飯能市は売却先を明らかにしていないが、信頼筋によると、その一部あるいは全部について、埼玉県内某社に売却されたことが特定。某社の事業内容から用途は木材チップ加工用である。

今回は農水省統計の木材価格全国平均価格等を利用して、売却可能な金額を試算した。

売却時期は比較的価格が安定していた2021年4月と仮定した。伐採木比重は伐採直後の最も比重の大きい生木の状態を仮定して1.0としたが、伐採後に野積みして乾燥が進めば、比重は下がり、材積/比重は上昇して評価額は上がる。実際には、2021年4月以降も伐採木の一部は工事現場に野積みされており、さらに高値での売却収入が生じると考えられる。

伐採木問題についてはその後入手した資料・情報と合わせて、後日あらためて解説する。

評価額

針葉樹
6,500円/立米×7075立米×0.4=18,395,000円
広葉樹
9,500円/立米×7075立米×0.6=40,327,500円

合計58,722,500円=約6,000万円

実際には合単板用素材として19,800円/立米(農水統計2021年4月)のヒノキ中丸太や、1本数万~数十万円と推定できるサクラ、ナラ等が数百本以上はゆうに存在するため1億円を超える可能性が十分にある。

試算条件

  • 伐採木総重量7075トン(飯能市2020年8月7日収受見積書)
  • チップ用素材として売却
  • 売却時期:2021年4月と仮定
  • 伐採時生木比重1.0=生木材積7075立米
  • 針葉樹:広葉樹=4:6(阿須山中地内目測)

材積価格
農林水産統計木材流通統計調査木材価格(令和3年6月)
木材チップ用素材価格(4p)
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/mokuryu/kakaku/attach/pdf/index-116.pdf

https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/mokuryu/kakaku/attach/pdf/index-8.pdf

伐採木(生木)比重
北海道大学農学部矢沢亀吉1963
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsms1963/12/121/12_121_678/_pdf

参考

長谷川順子市議 一般質問 書き起こし 阿須山中土地有効活用事業に関して(当ブログ)

伐採木問題解明のための基本資料(当ブログ)

更新

2022年8月11日 「試算条件 農林水産統計木材流通統計調査木材価格(令和3年6月) 木材チップ用素材価格(4P)」リンク修正